北海道に生まれ暮らして半世紀の人間である僕は「寒い」に立ち向かうことはできても「寒さ」を打ち負かすことはできない。いや負け犬のごときこの十数年である。
寒さを友として犬ころの様に島牧を駆け回っていた頃が懐かしい。
近頃は冬の島牧あたりへ行きましょう、などとは間違っても考えない。
だいたいにして釣道具すら物置の片隅にうずくまっている状態だし、せっかく作ったタイイングルームの扉すら開けてはいない。
まことに不真面目な釣師ではあるが情熱が無いわけではない。2月の声を聞けば・・・3月の歌が響けば、僕は武士のごとく重い鎧のようなジャケットに袖を通して、兜のようなニット帽に髭面を押し込んで少し緑が見え始めた河原を気の早いひばりのさえづりと共に歩くつもりだ。
まぁこのようなことを考え出したということは、眠れる釣師の本能が目覚める前兆ではないか?などと思ってタイイングルーム(クローゼット)をあけた。
中では昨年の秋にフックにビーズヘッドを通し、バーブレス化したフックがたくさん並んで僕を待っていた。目標300本・・・そんなことも付箋に書き込んで貼り付けていたのだから、相当やる気もあったのだろう。
机に向き合えば、イメージされたフライが浮かんできて、すぐさまタイイング。イメージされたといっても作るのはいつものパターン、Hige fly。2012年に作ったから2012年バージョンというシンプルなネーミング。
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